お肉の煮込み料理は温かくて、ホッとするお味。
口の中でホロホロとほぐれるようなお肉は意外と自宅でも簡単にできるですよ。
今回はお肉の熱に対する特性について科学的にお話しながら、美味しいお肉の煮込み料理を作るコツについてお伝えしていきます。
お肉の煮込み料理は温度が最重要!
お肉を柔らかく煮るためには、温度がたんぱく質へ与える影響についてしっかりと知っておく必要があります。
肉の煮込みは80℃以上を保持するようにしましょう
お肉を特に柔らかくするのは、結合組織をゼラチン化させることが効果的。お肉のたんぱく質同士を固めている部分がなくなるので、繊維同士がほぐれるような仕上がりになります。
お肉の煮込み料理の場合には、80℃となるとスープがポコポコと蒸発していく様子がみられます。常にこの状態が維持されるような火加減にしておきましょう。
合わせて知っておくべき、煮込み温度について
お肉を加熱するとき、まず50℃付近で筋原繊維たんぱく質であるミオシンが凝固、硬くなっていきます。
次に55℃を越える位になると、筋形質たんぱく質が凝固を始めます。
煮込み料理のばあいには、低温でじっくりといいながら50~60℃で長時間としてしまうとたんぱく質が固まって硬いお肉になってしまいます。
ローストビーフなどのように火を通さない料理の場合には、ジューシーに仕上げるために低温調理が良いのですが、煮込みは火を通してからが本番です。
使うお肉の種類はコラーゲン狙い
お肉の煮込み料理でとろけるような美味しいものを作りたいのであれば、コラーゲン成分が多いものを選択しましょう。
コラーゲンは長く加熱することによって、ゼラチン化してトロミのある煮込みになります。
特にオススメのお肉の種類とその部位は以下となります。
オススメのお肉
- 牛すね肉
- 牛テール肉
- 牛タン
- 鳥手羽先
- 豚足
- スペアリブ
これらのお肉を煮込むと、かなりの順調にお肉が柔らかくなっていくのを感じられると思います。
鍋を直火のみで煮込む場合には、2時間を目安に加熱を続けてみてください。
うまみをアップさせる「ひと手間」
さらにお肉の煮込みを本格的味わいにしたい時には、お肉を煮る前にひと手間加えましょう。それが、
焼き目をつけることです。
お肉の表面に焼きを入れることで、メイラード反応によってうまみ成分が増えるのです。香り、コク、うまみアップにつながる裏技のような工程なのです。
さらに、お肉の表面だけを硬くする事ができるので、お肉が崩れてしまうことを防ぐことができたりといいことばかり。
さらに美味しいお肉の煮込み料理を作りたい方はチャレンジしてみてください。
まとめ
今回はお肉の煮込み料理を自宅で美味しく作るためのコツをお伝えしました。
どんなお肉でもコラーゲンは含まれています。80℃以上で煮込むということだけ覚えておけば、今より高いレベルの料理が出来上がるでしょう。
さらに時短で作りたい場合には圧力鍋を使う方法もあります。こちらはまた別の機会におつたえしましょう。