お肉といえばやはり焼き料理が魅力ですよね。ステーキや串焼きなどもそうですし、美味しいすき焼きも最初は鉄板にお肉を直接乗せて焼き始めます。
お肉を焼くと美味しさもアップしますが、香りが美味しい!
今回はお肉を焼いた時の香ばしい香りについてです。
お肉を焼いた香りはローストフレーバー
お肉を加熱して生まれる、おいしい香り。これはローストフレーバーと呼ばれます。
このローストフレーバーは様々な食べ物で共通するものもあるのですが、その代表的なものが
ピラジン
という化合物のカテゴリに属するものになります。
そのほかにもフラン類、カルボニル類、窒素化合物などが組み合わさって、美味しい香ばしさが出来上がるのです。
例えば、クッキーやスポンジケーキなどを焼くと甘い香りがしますよね。このお菓子の特有の香ばしい香りはフラネオールという成分。
上のような構造式を持つ化合物です。天然ではイチゴ、パイナップルなどの果物や、ソバやトマトの香り成分としても知られます。
実は、このフラネオールはビーフステーキの香りとも共通するものなのです。
美味しい香りのポイントはアミノカルボニル反応
また、食品が加熱されて発生する香ばしい香りは、糖分が反応して発生する成分も含まれます。砂糖を焦がして作るカラメルソースの香りです。
このカラメルの香りもお肉と合わせると美味しい香りになるのです。
糖分と一緒にたんぱく質(アミノ酸)を加熱すると、この2つは新たな反応を起こします。
この反応はアミノカルボニル反応と呼ばれ、うなぎの蒲焼や焼きおにぎりなどで思い出される美味しい香り。これがこの反応による効果。
この反応をより効率的に発生させるために、お肉や魚は砂糖やお醤油と一緒に加熱するタレを使うことが多いのです。甘みを生かした焼いたお肉料理としては、
- タレの焼肉
- すき焼
- ジンスカン
- ケバブ
など、有名な料理ばかり。
アミノカルボニル反応は、脂肪分があるとさらに反応が複雑で奥深いものになります。バーベキューなどすると香りだけでもお酒が進みますよね。
反対に糖質や反応が発生しない調理方法にしてしまうとたんぱく質と脂質を加熱しても香ばしさはほとんど感じられません。
そのため、お肉を塩だけで焼くような場合には黒こしょうやその他の香辛料を使って味わいに深みを与えているのです。
まとめ
お肉の焦げた美味しい香りについて、表面が焼けている方が美味しい理由がわかりましたでしょうか。
焦げの風味、そしてたんぱく質と糖の複合反応などによって香りが格段にアップしていくのです。
お肉がずっとがあるのは、単に旨みだけでなく、美味しい香りにもヒミツがあったのです。