今回試したのは物理学者であり、マイクロソフトでCTOを務めたネイサン・ミアボルド氏が考案したという方法。最強のステーキ 頂上決戦!という番組で日本の水島シェフが家庭用に独自アレンジした方法を試してみました。焼かないステーキとして紹介されましたが、特徴は大きく2つ。
お肉の外側はこんがりとメイラード反応は十分にさせる。
お肉の内側の加熱はビニール袋で真空状態にして、50℃のお湯で熱をじっくり通す。
空気が抜けたら肉が鍋底に触れないようにちょっとかさ上げをしてクッキングペーパーを敷いておきます。これは、お湯の温度は約50℃を目指しますが、実際に測定してみるとお鍋の鍋底の温度が60℃を越えくらいに高くなるためです。
加熱中によく混ぜて温度が均一に鳴るようにするか、鍋底からかさ上げして触れないようにするかの2択で選べばよいでしょう。
準備するもの(1人前)
- オーストラリア産牛肩ロース 200g
- にんにく 1/2片
- 塩 適量
- 胡椒 適量
- バター 5g
- ステーキ醤油 大さじ2
取り出すとわかるのですが、
今回は安い外国産のお肉で試したのでひとつひとつの筋繊維が太め。この筋繊維が、パンパンに膨らんでいるのがわかると思います。
昔、マイクロスコープで肌の状態を見せてもらったことがあるのですが、その時に教えてもらった状態のよいお肌と同じような
比較のための準備
同じ部位で試したかったので4cmの厚みのお肉を2枚にスライスして、2cmの牛肩ロース肉を作りました。
こんな感じにスライスです。
全く同じお肉が2つできたので、今回のように普通の焼き方と低温焼の比較をするにはもってこいでしょう。結果が楽しみです。
安いお肉で筋が多かったので、その部分を切るように包丁で切って下ごしらえします。この状態で袋に入れますが、塩胡椒は厳禁です。塩が入るとお肉の水分が浸透圧で外に逃げてしまって美味しくなくなってしまいます。
袋はどんなものでもいいです。私はいつもキッチンで使用しているポリエチレンのカシャカシャいう一般的なものを用いました。
袋にお肉をいれたら、袋を縛らずにお水をためた中に沈めてあげます。こうする事で袋の中が水圧で潰れて真空状態を作ることができます。
真空状態ができたら、袋に空気が入らないように縛ればOKです。
いよいよ低温調理の加熱です
内側の加熱を先にしていきます。
時間はお水の状態から弱火で温め始め10~20分で50℃になるようにします。水温が50度を超えたら火を止めて7分ほど保温しましょう。狙いは53℃です。もっともお肉から旨みが出ることがわかっているので短時間で美味しさをアップさせることができます。
完了の目安は赤みがやや肌色に近づき、脂身に透明感が出た時点です。
下の写真で奥にあるお肉が低温加熱したもの。左下の手前にあるお肉が未処理の肩ロース肉です。低温加熱したものがぷっくりと張りが出ているのがお分かりになるでしょうか。
お肉を焼いていきます!今回はガーリックバター醤油ソースです
使用したのはキッコーマンのステーキ醤油です。日本食研のも美味しいのですが、にんにくが強めのこちらを使用しました。
実際のにんにくのに加えて旨みがアップさせられるのでガーリックバター醤油味好きの方にはオススメですよ。
まず、牛脂とサラダオイルを弱火で温めてにんにくのスライスを投入します。
ジューシー お肉の香りが良い オージービーフでもかなりいい香り 2cmにして、表2分間焼き、その後裏返しにして1分30秒お肉を取り出しました。この条件でミディアムレアお肉になります。
旨味がアップ。 ちょうど妻が妊娠中で赤いお肉を避けるようにしていたので、この状態からさらに焼いてウェルダンにしたのですがそれでもお肉の旨味の濃さは変わらず。妻も驚いていました。普通焼きすぎると硬くなるのに柔らかくなるから不思議ですよね。
焼き目の部分までしっとりしている。
手間かけるだけあるなぁ。
普通の方法 お肉がパサつく。旨味も少ない。実際フライパンで焼いた後に肉汁が多く出ていた。パサついた理由は熱がかかり過ぎたために牛肉の細胞が壊れて旨味と水が溢れたためと思う。