あなたも間違ってない?正しい牛肉の焼き加減教えます

良いお肉はあまり焼かないほうが良い?焼くなら炭火が1番美味しいなど、お肉の焼き方については色々な情報がありどれが本当かわからなくなっている方は多いでしょう。

加熱の何がダメ、炭火が美味しいといわれる理由を科学的な視点を交えて正しい牛肉の焼き方についてお伝えします。

お肉の表面はしっかり焼くこと

レストランや鉄板焼き屋さんにお肉を食べに行くと、表面はしっかり焼き目がついてますよね。

実は表面の焦げる手前の状態こそ旨みの理由なんです。食べ物が焦げる一歩手前は旨みが増すということが科学的にわかっています。この旨み成分を利用している料理は多く、もんじゃ焼き、焼き魚、パンケーキ、土鍋ご飯のおこげなどがあります。

お肉では、ステーキの網焼きや焼肉、本場のすき焼きも、すべて先に焼くという工程を経て作られています。

なぜ焼き目は美味しいの?

焼き目は美味しい

焼き目をつけるとお肉が美味しいのは、加熱によって

「メイラード反応」という化学反応が起こるためなんです。

料理の世界では最も重要視されている反応といって良いと思います。

強い加熱によってお肉に含まれるたんぱく質はアミノ酸に分解されます。作られたアミノ酸はさらに加熱されることで糖分と結合するということがわかっています。この反応をメイラード反応といい、見た目は焼き色として認知できます。メイラード反応が起きると茶色の分子が生成され、旨味・風味が一気に出てくるようになるのです。

つまり、

お肉は焼き色をつけるのが正しい

ということになります。

お肉の中は加熱し過ぎないこと

加熱し過ぎないこと

表面は焼き色が付くくらい加熱して、お肉の内側は加熱しすぎないというのが重要です。

その理由は、

お肉が旨みを含む肉汁を細胞内にキープできるのが65度以下

であるから。

お肉はコラーゲンという膜で筋肉が包まれていますが、コラーゲンは温度が65度以上になると急激に縮んでしまいます。コラーゲンはペプチドの一種で縮むとお肉が硬くなってしまいます。また、縮む過程で肉全体が締め付けられて液体である肉汁が絞り出されてしまうのです。

つまり、高温でお肉全体を加熱し過ぎてしまうとお肉は固くぱさぱさになってしまうんです。

これを防ぐには、ステーキ肉の中心部が65度以上にならない程度の低温でじっくりと焼くのがコツです。とくに1センチ以上の厚みがあるようなステーキ肉は、表面は焦がしながらすぐに取り出すなど、高温状態が続かないようにする必要があります。

実際、フレンチのレストランではステーキは焼き色をつけた後、温度を一定に保つことができる保温庫にいれてじっくり火入れをする調理法が使われています。ローストビーフが中がジューシーと感じるのは大きい牛肉のブロックを使って、内部をじっくり加熱するために水分(肉汁)を完全に封じ込めた状態で食べられるからなんです。

自宅で美味しくお肉を焼くコツ

自宅で美味しいステーキを焼きたいときには、

厚みのあるステーキ肉を購入すると失敗しにくいです。薄めのお肉の場合、表面を焦がそうとしている間に内部が高温になって硬くなってしまいます。

厚めのお肉を強めの火で焦げ目を付けたら、一度鉄板やフライパンからはずしましょう。これでもかというくらい、低温でじっくり火を通そうとしたほうがうまくいきます。片面30秒程度で焦げ目をつけるくらいがちょうど良いです。

焼き目をつけて加熱をやめたお肉は、アルミ箔で包むと良いです。余熱でじっくり火を通すことができるので、旨みが合ってみずみずしいステーキが出来上がります。

炭火で焼くと美味しいのは本当!

炭火 美味しい

自宅で焼く場合は低温が基本ですが、屋外でのバーベキューで炭を使う場合は、ある程度の温度になってもかまいません。

炭火の場合は、遠赤外線を出してお肉を加熱するからです。

木炭は特にたくさん遠赤外線を放出する物質で、一説によればガスの4倍の遠赤外線が放射されるそうです。

一般的なガスロースターの網上の温度は、約400~500度。炭火はしっかりと火を起こしておけば700~1000度になります。

これではガチガチにお肉が堅くなってしまうと思うのですが、炭火は遠赤外線をだすので、お肉が固くなりにくいのです。正にお肉の表面をしっかり焼いて、中はじっくり加熱するという状態が出来上がるんです。

バーベキューなどで屋外で炭火を使う時は、しっかりと火を起こしてから焼き始めましょう。炭に火をつけてからすぐに肉を焼き始めてしまうと、300度程度にしかならず表面に焼き目が付かないです。炭がしっかり赤くなっているのを確認してから焼き始めると、うまみを閉じ込めたままの焼肉が食べられます。

正しいお肉の焼き方のまとめ

    • 表面は強火で焼き色を作ること
    • 加熱は低温でじっくりと時間をかけること

お肉は生に近いくらいが美味しいという噂もありましたが、本当はじっくりと火を通すのがもっとも美味しく食べる方法だということをわかっていただけたかと思います。

焼き色をつけることをオススメしておりますが、焦げる焼いてはいけません。あくまで「焦げる一歩手前」がメイラード反応です。

お肉の部位や種類、サシの入り具合によって最適な焼き方は異なりますが、むやみに強火で焼きすぎたり、生に近い状態で食べてしまってはお肉の魅力を引き出しきれていません。せっかくのおいしいお肉を購入したときは、以上を参考に焼いてみましょう。

牛肉の焼き加減
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