牛肉のオスとメスはどちらがおいしい?
オスの牛である雄牛とメスの牛雌牛はどちらの方がより評価が高いのでしょうか。
食べ比べすると実は差は歴然なのです。
明らかにメスの方が牛肉は美味しいです。
牛肉の美味しさは、肉の柔らかさと脂肪分の旨みがありますが、これについては雌牛(メス)の方が圧倒的に優れています。
メスの牛肉には不飽和脂肪酸というの融点の低い脂肪分がオスよりも多く含まれているので口の中でとろけるような食感になります。絹のようとたとえられることもあります。
霜降りでつなぎ留められた赤身がきめ細やかなために、体温によって脂肪分だけが融かされてほろほろと崩れていくんです。
以前食べ比べさせてくれるお店にいったのですが、肉の甘みと旨みが全然違って驚きました。お肉のギフトを考えている方は、よりダイレクトに美味しさを実感できるメス(雌牛)がオススメです。
希少価値もメスの牛肉の方が高い
メスの牛(雌牛)は、仔牛を生むという生物的な特徴があり母牛となるのです。そのため、食肉として選ばれる量が限られているのです。
特に、脂肪が付きにくいとされるメスの牛は、飼育も非常に難しいとされています。ブランド牛の条件となるようなA4ランク、A5ランクといった霜降り和牛は非常に希少価値が高くなっています。
メスの牛肉だけが選ばれているブランド牛は?
有名なブランド牛の中にはメスのみを選定しているものもあるのです。
雌牛のみをブランド牛に昇格させているそのブランドは、知らない方はいないと言ってもいいでしょう「松阪牛(まつさかうし または まつさかぎゅう)」と、同じ日本三大和牛のひとつ「米沢牛(よねざわぎゅう)」の2ブランドのみです。
正確には、未経産の雌牛(子を産んでいないメス牛)のみを松阪牛・米沢牛として定義しています。(他にも飼育期間や格付けを細かく定義されています)
松阪牛・米沢牛以外の有名ブランド牛では、「メスでは未経産牛・オスでは去勢牛」として定義しているブランドが多く、またその他の多くが性別を定義していないことも少なくありません。
中には「〇〇内(地域名)で肥育された黒毛和牛」と、地域のみを指定しているだけのブランドもあります。
このような観点からみると、松阪牛と米沢牛のブランドがどれだけ厳しい条件で選別しているかということが分かります。
と書くと、オスが美味しくないと思われる方もいると思いますが、そんなことはありません。
有名ブランド牛のお肉は一定のレベルでおいしいと評価が高いので、好みのブランド牛を是非見つけてみてください。
オスの牛肉は美味しくないの?
雄牛(オス)というだけで、美味しくないと決めてはいけません。
近年では雄牛の去勢をすることで肉をやわらかく育てる技術ができており、差はどんどん小さくなってはいます。
霜降りの具合が好みの方はあえてお肉を食べた感を得ることができる雄牛を選ぶ方もいるようです。
オスも含まれている人気のブランド牛
こちらには雄牛も含まれているブランド牛を紹介します。
神戸牛
世界的に有名な日本の牛肉と言えば「神戸牛(こうべぎゅう)/神戸ビーフ」です。実はあまり知られていませんが、神戸牛は「生きている神戸牛」が存在していません。
その理由は、神戸牛は元は「但馬牛(たじまうし)」で神戸牛独特の評価基準(定義)があるからです。神戸牛は「但馬牛」を飼育して、但馬牛を評価する(A4・A5など)ときに、品質の高い肉のみをココではじめて「神戸牛」と名乗らせることができるのです。
ただ、このときすべての評価の高いお肉が「神戸牛」を名乗っているわけでもないということ。ほとんどの場合で、「神戸牛」を名乗ってはいますが、絶対に。というわけでもないのです。評価の高いいい肉は「神戸牛(神戸ビーフ・神戸肉)」でもいいですし、「但馬牛(たじまぎゅう)」でもいいのです。ややわかりにくいですが、要するに神戸牛は但馬牛でもあるということだけ覚えておきましょう。
神戸牛・神戸ビーフの定義
・兵庫県産の純血の但馬牛の未経産牛(雌牛)、または去勢牛(雄牛)
・登録生産者が県内で飼育管理し、県内指定食肉センターに出荷された牛のみ
・枝肉格付(えだにくかくづけ)により、霜降り・肉質等級・重量制限を基準値を超えた牛のみ
近江牛
さらに雄牛も含まれている人気ブランド牛なら、日本三大和牛(四大和牛)のひとつ「近江牛(おうみぎゅう または おうみうし)」も外せません。
歴史をさかのぼると、400年以上の史実があり、近江牛の協会(団体)も日本で初めて設立。近江牛はブランド牛のパイオニアで、日本最古のブランド牛としても知られています。
ただ、近江牛の定義というのが、実はあまり具体的ではありませんので注意が必要です。一般の近江牛が「滋賀県内で最も長く飼育されたもの・黒毛和種。」という条件のみで、ブランドをなのることができます。これだと美味しいお肉を選べないのでは?と思われるでしょう。大丈夫です。
それでも、しっかりと美味しい近江牛を見極めることはできます。人気の近江牛というのは、一般の近江牛の条件にさらに「枝肉格付がA4、B4等級以上のもの」の条件が付きます。
この条件を満たした近江牛は「認証 近江牛」となり、認証のシールが発行されます。なのでこのシールを目印にお肉を選ぶことで、間違いなく品質が高く美味しい近江牛を購入することができるのです。
近江牛の定義
・滋賀県内で最も長い期間、飼育された黒毛和種であること
・協議会の登録生産者(団体)が飼育した牛であること
・枝肉格付により、「A4」「B4」等級以上の牛を「認定近江牛」としている
まとめ
今回は牛肉のオスとメスの味の違いについて解説しました。
メスのブランド牛は非常に希少価値が高く、それだけに味わいは抜群。失敗しないギフトを考えた時、やはり松阪牛は別格のこだわりがあるといって良いでしょう。
希少価値が高いお肉、是非自分へのご褒美としても購入してみてください。
「めうし」と入力すると、漢字に牝牛と雌牛が出てくるのです。調べてみても用途に違いはないようですね。