毎日の食卓で取り入れやすい鶏肉。ちょっとした下ごしらえの違いで、柔らかくジューシーに仕上げることが出来るんです。
今回は、特に効果がある鶏肉の下ごしらえ用の調味料とその科学的な説明をしていきます。
鶏肉の美味しい調理方法(下ごしらえ編)
下ごしらえに使う調味料って、単に味付けの意味だけではないのです。味以外の意味としては以下があります。
- お肉の水分を保つ
- 鶏肉を柔らかくする
お肉に塩や醤油などの塩分をふると、味は付きますが浸透圧で逆に水分が抜け出てしまいます。多少は仕方がないとしても、出来るだけお肉に水分を補充しながらにできる方がジューシー。
焼いたり、蒸したりと加熱調理の前にしっかりと水分をお肉に保持させておくのが良いのです。
また、やはり柔らかいお肉の方が食べやすく美味しいですよね。安いお肉でもしっかりと下ごしらえをしてあげることによって、レベルアップした美味しさに仕上げることができるのです。
方法① 日本酒・ワイン
お酒は味を浸透させる効果とお肉の臭いを消す効果があります。
お肉料理にお酒を使うときには、しっかりと入れるタイミングを知っていれば美味しい料理が出来上がります。
下味で使うお酒
下味のときに使う場合には、しっかりとアルコールにつけてお肉の味を閉じ込めるために使いましょう。
特に面白いのがワインです。日本酒ベースの料理酒でも効果がありますがワインはよりうまみを閉じ込めることが出来るのです。
ワインには日本酒の約30倍もの酸成分とタンニンが入っています。酸とタンニンの成分は、お肉表面のたんぱく質を固める効果があります。下味の時には肉の味を閉じ込めながら、味付けをする事ができるのです。
お肉の赤ワイン煮やビーフシチュが美味しいのには、メインとなる肉との相性が良い調理方法であるという理由があったのです。
炒め物の時のお酒
炒め物をするときのお酒の使い方は、意外と間違っている人も多いかもしれません。
お肉を使った炒め物をするときには、お酒は炒め上がりに使うのが効果的なのです。
お酒は蒸発する時に、お肉の臭い成分を一緒に蒸発させることに役立つのです。臭みがなくなることでお料理の風味が良くなるのです。
煮物を作るときのお酒
お肉の煮物の料理の時には、下味の時と同様にアルコールを火にかける前に入れておくことが大切です。
アルコールは調味料よりもお肉への浸透が早いのです。一緒にお酒を入れておくことで、水分に溶けやすいお醤油やお砂糖などの味をお肉の中に効率よく運ぶことができるのです。
また、お水よりもアルコールは沸点という蒸発する温度が低いのです。グツグツしていると、アルコールはすぐに蒸発してしまいます。煮込み始める前にお酒を入れて、アルコールとお肉が接する時間を確保するようにしましょう。
方法② お酢
お酢は健康のためにも良いとされる調味料ですね。高血圧の予防だとか疲労回復などを意識する方の良いサポートとなります。
お酢を加えてお肉調理を行うと、おいしさがアップします。
理由については諸説ありますが、たんぱく質を固めて肉汁を閉じ込める作用が一番だと思います。
また、お肉に含まれる酸性プロテアーゼという酵素がお酢によって活性化してうまみをアップさせるという説もあります。プロテアーゼとはプロテイン(たんぱく質)の分解酵素で、お肉が柔らかく、そしてアミノ酸がたっぷりになるのです。
お酒と同様に煮込み料理のときには、火にかける前に入れておきお酢成分が蒸発する前にお肉に作用させることが大切です。
方法③ お砂糖
甘さの調味料であるお砂糖は、実は味だけではなくお肉のおいしい調理にも役立つんです。
お砂糖の効果は以下の2つです。
- お肉の水分を守る
- 人間の味覚を活性化する
1つめのお肉の水分を守るについては、お砂糖自体がお水に溶けやすいという特性によるものです。
卵焼きを作るときに甘くするとしっとりと仕上がるのも実はこの作用によるものなのです。ケーキやビスケットなどのお菓子でも、お砂糖が少ないだけでパサパサになるのを経験したことがある方もいるのではないでしょうか。
また、2つめの味覚への作用についても、人間の舌が甘みを先に感じて美味しいと感じます。すると、食べ物であると脳が判断して他の味を感じられるようにしているそうです。
甘さを加えておくことで、味わいを深くしてくれるんですね。
使う甘さも、三温糖、ざらめ糖、はちみつなど使うもので味わいがかなり変わってきます。是非お料理ごとに色々試してみてください。
まとめ
今回はお肉の下準備に加えて味わいがアップする調味料の使い方をお伝えしました。
ちょっとした料理のコツですが、入れるタイミングだけで調味料は大きく仕上がりに影響するもの。
是非今よりもお肉をよりおいしく食べるための参考になれば嬉しいです。